第5話|足裏のタコが治った!

靴ひもで足の滑りを防止

足裏のタコでお悩みの方、おられませんか。Mさんもそんな患者さんの一人で、歩くときの痛みを訴えて受診されました。皮膚の厚くなった部分を軟らかくする薬を使ったり、削ったりしても、また元に戻るだけの繰り返しだったとか。

タコと靴の履き方には深い関連があります。靴ひもには、靴と足をしっかりと固定化するテーピングの役割があるからです。Mさんはひも靴で、履き方を見ると、いつもどかっと腰を下ろした状態で靴ひもを締めていました。

靴紐は足に体重を乗せる

足の甲の高さは、座った時には高く、立った状態では体重がかかるので低くなります。だから、靴を買って最初にひもを通すときや、靴を履く際に結び直すときも、座ったままひもを締めると、締めたつもりでも、歩いた時にはひもが緩くなるわけです。下の動画は紐どめを使った方法。脱ぎ履きしやすいのがメリットです。

そうなると、靴の中で足が滑って摩擦し、タコができやすい状態に。滑る足を踏ん張ろうとして指もぐっと曲がり、屈み指(ハンマー指)にもつながります。Mさんには、靴ひもを通すとき、片膝を立て、なおかつ中腰で足に体重をかけた状態で締めるように指導しました。

靴べらを使う

次に靴も見ました。足をまっすぐ固定し、骨を支える靴のかかとがつぶれていたので、Mさんには靴を履くとき、靴べらを使うように言いました。靴べらの利点はまず、靴が履きやすくなり、かかとが壊れないこと。そして靴が長持ちすることです。

どんなにいい靴を買っても、靴べらを使わなければかかとは次第に潰れ、寿命は持ってまあ半年。でも、靴べらを使ってかかとを守れば、2年は大丈夫。5千円の靴を半年サイクルで履きつぶすのと、2万円のしっかりした靴を2年サイクルで履くこと。一般的な出費は同じですが、体に良いのは明らかに後者の方でしょう。

Mさんは正しい靴の履き方を習慣化したおかげで、その後二度とタコができることはありませんでした。

タコは削らなくても大丈夫

かかとにあるタコ。わずか1ヶ月で改善。

ワセリンは便利

ワセリンは石油が原料なので自然派の方には敬遠されがちですが、石油は天然化石燃料で自然素材です。舐めても大丈夫なので赤ちゃんでも安心して使えます。妊娠線が気になる方、乳児湿疹などにも効果を発揮します。ただし、大切なことは「塗ったあとに綺麗に拭き取る」ということ。拭き取っても保湿効果は変わりません。

さて、靴ひもは締めれば良いだけではありません。次回は、靴ひもの種類について説明しますね。

ひろのば体操

足指を広げて(=ひろ)伸ばす(=のば)、足指と足のストレッチのこと。左右の足を合わせて1日1回、5分もやれば効果があります。

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◎ Prevent your foot from sliding inside the shoe.

Do any of you have trouble with corns on the back of your foot? Ms. M was one of my patients who had the same trouble and was always in pain even when she was walking. She tried all kinds of treatment from ointment that supposedly softens the hardened skin to shaving the corns, but they’d always come back after a while and repeated the cycle all over.

There is a deep relation between corns and how you wear your shoes. Shoelaces work as taping to bind your foot and your shoe and stabilize them together. Ms. M wore shoes with shoelaces but always tied them while sitting.

The height of your instep is higher when sitting and lowers when standing as your body weight goes on your instep. Therefore, if you put shoelaces on new shoes or re-do the shoelaces while sitting, they start to feel loose as soon as you stand up.

Because of that your foot slides inside your shoe and easily causes corns and hammered toes. I advised Ms. M to kneel, putting weight on one knee and tie shoelaces in a half-sitting posture.

◎ Use a shoehorn

Next I checked her shoes as well. The heels of her shoes, which are supposed to hold the bones of her body, were completely flattened that I advised her to use a shoehorn whenever she put on shoes.

Using a shoehorn makes putting on shoes easier, protects shoes’ heels, and makes shoes last longer.

No matter what great shoes you bought, they will only last half a year if you don’t use a shoehorn because the heels will gradually get deformed. But if you use a shoehorn and protect the heels of your shoes, they’ll last about 2 years. Which would you prefer, you buy shoes that are 5,000 yen every 6 months or you buy ones that are 20,000 yen and last for 2 years? The cost is the same but what’s good for your body is definitely the latter.

Ms. M has learned to make a habit of wearing shoes in the right way and is no longer troubled with corns on her feet.

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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