良い姿勢、悪い姿勢とは?セルフチェック法と、姿勢を矯正できる方法を、整形外科分野の姿勢のスペシャリストが公開!

目次

足指を広げて伸ばせば、自然に姿勢も良くなる!

重度の方の改善例

軽症の方の改善例

はじめに

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良い姿勢とは、ただまっすぐに立っているだけではなく、見た目を美しく見せることにもつながります。それは皆さんの健康にとっても重要な部分。動いているか静止しているかにかかわらず、体を正しい方法で保持することで、痛み、怪我、その他の健康上の問題を防ぐことができるからです。

そこで今回は、正しい姿勢の作り方と悪い姿勢の改善方法について、姿勢と咬合のスペシャリストでもある、足指研究所の湯浅慶朗が伝授。家で簡単にできる姿勢のチェック法や、悪姿勢をリセットできる簡単ストレッチなどをお伝えします。

姿勢とは?

身体が静止している状態、運動している状態にかかわらず、身体の保つようすをさし、次の 2 つのタイプがあります。

1.動的姿勢

動的姿勢とは、歩いたり、走ったり、物を取るためにかがんだりするときなど、動いているときの姿勢のことです。

2.静的姿勢

静的姿勢とは、座っているとき、立っているとき、寝ているときなど、動いていないときの姿勢のことです。

正しい姿勢・悪い姿勢とは?

正しい姿勢を保持できるようになると、骨と関節の位置が保たれます。ニュートラルポジションとも言います。これにより、関節表面の異常な磨耗が減少し、脊椎関節を結合している靱帯へのストレスが軽減され、筋肉がより効率的に機能できるようになります。良い姿勢は、筋肉の緊張、使いすぎによる障害、背中や筋肉の痛みを防ぐのにも役立ちます。

姿勢の種類と特徴。自分は猫背型? 反り腰型?

理想姿勢

理想的な姿勢は骨盤がやや前傾し、膝がまっすぐに伸びて内臓を圧迫しない。

猫背

猫背は骨盤が後傾し、膝が曲がって背中が丸く、肩が前に出るのが特徴。

反り腰

反り腰は骨盤が前傾し、出っ尻(ちり)で下腹がぽっこり前に出る。

ニュートラルポジションとは?

ニュートラルポジションとは身体 ( 関節、筋肉、靭帯 ) への負担が最小限で、全身の運動機能や循環機能の働きがバランス良く円滑に発揮し易い状態のことです。 一般的にニュートラルボジションの配列は、静的姿勢時に、耳垂・肩峰・大転子・ひざの中心・足の外踝までの配列がほぼ一直線上に並んでいる身体の状態を指します。

写真で見る、良い姿勢・悪い姿勢

良い姿勢

良い姿勢は、耳垂・肩峰・大転子・ひざの中心・足の外踝までの配列がほぼ一直線上に並んでいることが分かる。

悪い姿勢

悪い姿勢は、耳垂と外果を結んだ線の中に、肩峰・大転子・ひざの中心の点が外れていることが分かる。

悪い姿勢がもたらすさまざまな痛みや不調。歯並びや脳にも影響する。

姿勢が悪いと健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
猫背になったり、反り腰になったりすると、次のようなことが起こります。

  • 筋骨格系の位置がずれ、筋肉や関節に痛みを生じさせる
  • 背骨がすり減って、もろくなり、怪我をしやすくなります
  • 首、肩、背中の痛みの原因となる
  • 柔軟性を低下させる
  • 関節の動きに影響を与える
  • バランスに影響を及ぼし、転倒の危険性が高まる
  • 食べ物を消化しにくくする
  • 呼吸が困難になる
  • 噛み合わせや歯並びが悪くなる
  • 顎関節がずれ、顎の動きが悪くなったり、痛みを生じる
  • 滑舌が悪くなる
  • 脳血流量が低下して認知症のリスクが高くなるなど

自分の姿勢をセルフチェック!あなたの姿勢は正しい?

自分の姿勢が良いのか悪いのか、判断するのはなかなか難しいと思います。
まずは、簡単にできる2つのやり方で、自分の姿勢をチェックしてみましょう。

スマホを使った姿勢チェック

両足を揃えて立ってみましょう。その状態で真横・真正面からスマホで写真を撮影します。写真を撮影する時には以下の点に注意しましょう。

撮影方法1

カメラのレンズの中心がおへその延長線上にあるかを確認します。カメラのグリッド機能を使って綺麗に撮影してみましょう。

撮影方法2

ほとんどのスマホにはグリッドや十字マークがあるので、被写体を水平垂直に撮影しやすくなっています。

真横

 

耳垂と外くるぶしを線で結びます。その線の中に、肩峰・股関節(大転子)・膝の中心の点を通っていれば理想姿勢です。

真正面

 

両くるぶし中心から垂直線を引きます。その線の中に、おへそ・両膝の中心が通っていれば理想姿勢です。

猫背や反り腰の人は引いた線の中に点が通っていなかったと思います。

横からの姿勢

・膝の点が線よりも前にある人は膝曲げ、後ろにある人は反張膝、どちらも膝の痛みが出やすくなります。
・股関節の点が線よりも前→反り腰(ヘルニアや狭窄症になりやすい)、後ろ→猫背(圧迫骨折になりやすい)です。
・肩峰の線が線よりも後ろにいくほど、ストレートネック(肩や首の痛みが出やすく、口呼吸になりやすい)です。

動画で姿勢分析の方法を見てみよう!

意識をしても本当に良い姿勢は作れない

姿勢をチェックしてみて、猫背や反り腰だった場合、それを正そうと意識をすると、猫背の人は反り腰気味に、反り腰の人は猫背気味になります。でも、そんなことをする必要はありません。なぜなら「意識で良い姿勢はつくれない」のです。

確かに鏡を見ながらであれば、良い姿勢をつくることができるでしょう。しかし、意識している時だけでは意味がありません。良い姿勢のためにいつも意識していていると、筋肉がこわったり疲れやすくなるのを実感している方も多いはずです。

テレビや健康本でいうような「腹筋を意識して背筋をのばしましょう」や「胸を開いて、顎を引きましょう」など正しい姿勢の作り方というものは、意識している間だけですので、あまり意味がありません。

また、他人にも良い姿勢をつくることはできません。整体や骨盤矯正などを受けても通常は一時的なものですぐに元に戻ってしまい、良い姿勢を保ち続けることはできません。

なぜなら、今のご自身の猫背・反り腰の姿勢で、身体がうまくバランスを取っているからです。

姿勢が悪くなる本当の原因とは?

では、どうすれば意識をしなくても良い姿勢が作れるのでしょうか。それは猫背や反り腰にならなくても、バランスが取れる身体の状態に戻せば良いだけなのです。

逆立ちで考えるとわかる!

人が立つ時の状態を、逆立ちに置き換えて考えてみましょう。逆立ちするとき、手の形はどうしますか?手の指を大きく広げ、まっすぐ伸ばしているはずです。手の指が閉じていたり、曲がっていたら、腕に力が入らなかったり、バランスが悪くなって逆立ちはできなくなります。

手を「足」に置き換えると、手首は足首、ひじは膝、肩は股関節に当たります。足指がしっかり広がって伸びている状態であれば、最も無理のない体勢で、まっすぐにバランスよく立つことができるのです。  

足元のバランスが悪くても、体は何とかバランスをとりながら立とうとします。これを姿勢反射とも言います。しかし無理にバランスをとることで骨がゆがみ、筋肉が疲労します。それらの部位にかかる負担が外反母趾をはじめとする様々な痛みや体の不調を招くわけです。

姿勢反射

姿勢反射とは姿勢を維持しようとする無意識のコントロール機能のこと。 バランスが崩れたときなどに、重力に抗して自動的に姿勢を調節したり、安定させようとする不随意の反射機構の事をいいます。

 

つまり、体の不調がある部分を正すのではなく、支える土台である足を安定させれば、おのずと改善する可能性が高まります。  そのために、足指の本来の機能と形状を取り戻す必要があるのです。

足指の機能も逆立ちの「手の指」と同じ

指が広がっていると?

指が広がっている状態であれば、バランスが崩れた時でも地面をしっかりとつかむことができるので、ニュートラルポジションに姿勢を戻そうとする力が働きます。

指が閉じていると?

指が曲がったり閉じたりしている状態では、バランスが崩れた時にうまく地面をつかむことができないので、ニュートラルポジションに姿勢を戻すことができなくなります。

足も手の指と同じで、それぞれの指に役割があります。バランスを崩して姿勢が崩れそうになった時には、親指や小指の機能が働き、体のバランスを元の位置に戻そうとします。しかし指が曲がっている状態では足指の機能がうまく働かないので、体のバランスを元の位置に戻すことができなくなるのです。  

体のバランスを元の位置に戻せないとどうなる?

体のバランスを元に戻せない場合は、足・膝・腰・肩などを変形させながら身体を安定させていき、重心を中心に戻そうとします。しかし筋肉に無駄な力が入ってしまうことで膝痛や腰痛を引き起こしたり、関節が変形して軟骨がすり減ったり、骨そのものの変形を引き起こしたりします。変形性足関節症、変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性腰椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などは無理な姿勢で立ったことによる代償なのです。

足指が曲がったり閉じたりする原因は?

靴の履き方が原因で足指が曲がる

残念なことに、ほとんどの現代人は、間違った靴の選び方、履き方などによって足指が変形し、土台が崩れています。靴の中で足が前後に滑ると、足指が滑りを止めようとして、かがみ指(ハンマートゥ)や浮き指になるのです。また、靴下やスリッパによっても、足指が曲がることがあります。

靴下で足指が変形する?

通常の筒型の靴下(チューブソックス)では、足指に4g~9gf/㎠の力がかかり、足指を圧迫していきます。圧迫された足指は機能障害を引き起こし、かがみ指や浮き指になりやすくなります。逆にブカブカのチューブソックスでは、靴下の中で足がズルズルと滑るので、かがみ指や浮き指になってしまいます。

足指の機能が低下すると、足の筋肉が落ちて扁平足や開帳足になる

足の骨はたくさんの筋肉で支えられてまっすぐな形をしていますが、ほとんどの筋肉が足指に付着しています。足指を機能的に使わず歩くと筋力が落ちていき、アーチのない開帳足という、べったりした足の形になっていきます。

アーチがつぶれてしまうと、親指から小指につながっている筋肉が伸びてしまうため、筋肉が元の長さに戻ろうとして、親指と小指が内側に引っ張られてしまいます。    

親指と小指が内側に引っ張られてることで、くの字に曲がって外反母趾や内反小指になってしまうのです。

足には3つのアーチがあります。それを支えているのは足裏の筋肉で、ほとんどが足指に付着しています。足指を機能的に使わずに歩くと、その筋肉が落ちてしまい、足のクッション性もなくなり、長時間歩くと疲れやすくなります。

姿勢と足のアーチは関係しているの?

足指がしっかりと広がって伸びていれば、前方に50%・後方に50%の体重がかかる理想的なバランスになります。かがみ指や浮き指になると、地面に接地する面積が少なくなり、必然的に「かかと」に体重が移動します。これが踵重心になる原因の一つです。

かかとに体重が移動すると、カラダは後ろに倒れそうになります。そしてカラダは、後ろに倒れないようにバランスを取ろうとして、上半身をうまく使いどうにか立とうとします。それが猫背や反り腰の姿勢を招くのです。

無理にバランスをとっている状態の姿勢(猫背や反り腰)なので、骨盤はゆがみ、筋肉は疲労し、関節の負担が大きくなります。それが肩こり、腰痛、膝の痛みなどにつながってくるのです。

真正面からの姿勢も同様です。親指や小指の機能不全、外反母趾や内反症になると、足裏の中心にあった重心が「外側」や「内側」にかたよってしまいます。外側に片寄れば「O脚」、内側に片寄れば「X脚」になりやすいです。

左右対称のO脚やX脚であれば問題ないのですが、ほとんどの人は「軸足」と「利き足」というものが存在します。そのため少なからず足の長さの左右差が生じますが、その左右差が限界値を超えると、骨盤が傾きます。

骨盤が傾くと、骨盤の上に乗っている背骨がS字状にゆがみ、最終的に顔を傾けてバランスを取ろうとするのです。それが身体の関節のさまざまな痛みや変形を引き起こす原因となるのです。

足指がしっかり広がり、伸びていれば、足裏の中心に重心がくるので、もっとも無理のない体勢(理想姿勢)で立てるので、カラダに負担がなく、さまざまな「不調」から解放されるのです。

骨盤のゆがみも足指から!?

上記でも説明しましたが、土台である足の重心の位置が変化することで、骨盤がゆがんでいきます。また、出産時、骨盤が大きく開きゆるんでしまうことで、骨盤に歪みが生じることもあります。出産後、骨盤は時間をかけて元の位置に戻ろうとするのですが、出産を通じて左右のバランスが崩れていると正常な位置に戻るのが難しくなることがあります。基本的に人間には本来の状態に戻ろうとする力があるので、足指を広げて伸ばし、歩くことで徐々にニュートラルポジションに近づいていきます。

顔のゆがみも足指から?

顔が歪む原因は?

顔が歪む原因も足指です。土台である足の重心の位置が変化することで、足→脚→骨盤→背骨→肩→顔→顎を変形させながらバランスを取ろうとするのです。顔のゆがみも、バランスを取るための代償動作なので、顔のゆがみを改善するためには、足指を広げて伸ばし、歩くことがいちばんの近道なのです。

そのほかにも、日々の生活スタイルに顔の歪みの原因が潜んでいることもあります。例えば立ち方や座り方の癖、食事の食べ方や睡眠中の姿勢が要因になっている可能性が高いと考えられます。

頬杖をつく

体重の約10%を占めるといわれる、人間の頭部。頬杖をつくと、重い頭の重心が顔の片方にかかります。そうすることで目や口元、頬などの歪みの原因になるといわれています。ただし、長時間にならなければそれほど気にする必要はありません。

座って作業をする姿勢が悪い

椅子に座ってパソコンやスマートフォンの使用する姿勢により、猫背になり首が前に突き出た状態の癖がついている人も多いと思います。姿勢の悪さは、背骨の歪みにつながります。そのような状態から、顔の歪みの原因になってしまう可能性が高いと考えられます。椅子やテーブルの高さなどを適切にすることで予防することができます。

足を組んでいる

座っているときに足を組む癖があると、骨盤が歪むという話を聞いたことはありませんか?足を組むと体のバランスが左右のどちらかに傾くため、骨盤だけでなく首や肩にも影響を及ぼします。その結果、顔の歪みにもつながるといわれています。

足指がこんな状態なら要注意!姿勢を悪くする足指の変形の種類

足指が曲がっていない人はほとんどいません。それは靴下や靴を履く文化になったことが大きな要因です。足指の写真を見て、自分の足をチェックしてみてください。代表的な足指の変形には、次のようなものがあります。

  • 外反母趾(がいはんぼし)
  • 内反小指(ないはんしょうし)
  • 浮き指(うきゆび)
  • かがみ指(別名:ハンマートゥ)
  • 寝指(ねゆび)

外反母趾(がいはんぼし)

足指の変形の代表格です。両足を揃えて、左右の親指の間にVの字の隙間ができます。そこに人差し指が、足指の付け根まで入ると「外反母趾」です。体を支える大黒柱。親指が曲がることで、足だけでなく体全体に力が入らなくなります。

内反小趾(ないはんしょうし)

爪のこところに隙間ができれば内反小指といいます。小指の付け根が赤かったり、小指の爪が小さかったり、薬指と小指の間にタコができていれば可能性が大きいですね。小指は体重が外側にかからないように制御しています。小指が使えていない人は、体重が外側にかかるので「O脚」になりやすいです。さらには体の左右差による「肩こり」や「首こり」も起こしやすくなります。

かがみ指(ハンマートゥ)

上から見ると2〜4指の爪が、真下を向いていたり、見えにくかったら「屈み指」です。「かくれ屈み指」というものもあり、体重がかかった時だけ足指がギュッと曲がる人がいます。屈み指は足のブレーキです。屈み指のクセがついていると、常に体にブレーキがかかります。転びやすかったり、つまづきやすかったり。さらには体が疲れやすく、足のふくらはぎがパンパンになりやすいです。姿勢も猫背に近づき、歩き方に異変が出てくるのも「屈み指」のせいかも知れません。

親指の浮き指(うきゆび)

真正面から見て、爪が見えない状態、もしくは他の指の爪の向きと違って上に反り上がっている状態であれば浮き指です。靴下の親指の部分がいつも破れるという人はうきゆびの可能性が高いです。

小指の浮き指(うきゆび)

名刺でも良いですが、小指の下に入れてスカスカ入るようであれば浮き指です。保育園調査でも3歳児の浮き指率は70%以上。歯科医院での調査では浮き指率は99%でした。

寝指(ねゆび)

小指や薬指が真横に寝転んでいたり、くの字に曲がっていたりすれば「寝指」です。
爪の向きを見ればわかりやすいと思います。親指に比べると、薬指や小指はないがしろにされやすいです。しかし手の小指がなければ、包丁を握ってものを着ることも難しくなります。野球のバットやゴルフクラブも同様で、小指がなければtからを入れることができません。足も同様ですが、小指が使えていない人は、まっすぐ立つことも歩くことも難しくなります。

外反母趾は知っていても、「内反小指」や「浮き指」、「かがみ指」、「寝指」は聞いたことがない人が多いかもしれません。従来、あまり問題にされてこなかったからです。しかし、足指と体の関係を調べると、これらの足指の変形によって体のバランスを崩し、全身に悪影響を与えていることが分かりました。まさに、足指の変形が「万病の元」だったのです。

足指変形について詳しく知る

正しい姿勢を作る簡単ストレッチ!

ひろのば体操で足指の機能を取り戻す!

「ひろのば体操」とは、足病医学に基づいて2008年に湯浅慶朗が考案・開発した、足指を広げて(=ひろ)伸ばす(=のば)、足指のバイオメカニクス・ストレッチのこと。外反母趾・内反小趾・浮き指・かがみ指・寝指などの改善に効果を発揮します。足部や体のバランスがよくなり、悪い症状が消えていきます。健康維持や病気予防が目的なら、左右の足を合わせて1日1回、5分もやれば効果があります(病気や症状の改善が目的の場合は、回数を増やすほど効果があらわれやすくなります)。

STEP1 いす、または床の上に座り、片方の足を太ももの上に乗せる

・膝をなるべく倒す
・足首が上に反らないようにする
・ももの上にきちんと足の乗せる

・足の甲はしっかり反らせましょう
・足首が少し太ももから出るようにします

STEP2-1 足指の間に、手の指を入れる

・手指の根元に1本ずつ足指の先端を入れる
・足指の根元にすきまができるようにします

・手の根元に足指の先端だけが乗る感じです
・手の根元にぴったりと足指先を密着させる

STEP2-2 足指の間に、手の指を入れすぎないように

 OK

・足指が手の指から出ないくらいが理想です

 NG

・足指の根元まで手指を入れてしまうとうまく曲げられなくなります

STEP3 足指を入れた手を優しく握る

 OK

・足指の付け根より少し上に手がくるよう、優しく握る
・手の親指で足の親指を軽く押さえる

 NG

・手の指を足の付け根いっぱいまでさし込んでいると反らせにくい

STEP4 足指を甲のほうへ反らす

・優しく、ゆっくりと反らせる
・手の根元で足指先を押すようなイメージで
・足指の関節が90度になると理想的
(かたい場合には無理をしない)
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープする)

・やさしく、ゆっくりと
・甲を伸ばすイメージで反らせていく
・手のひら全体で足裏を軽く押す
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープ)

STEP5 STEP4を繰り返す

STEP4を繰り返し行ったら、逆の足も同じように反らせる。両足で最低5分ほどできればOK。かたい場合には片足10分ほど行うと効果的です。

自分で行うことが難しい場合には、誰かにやってもらいましょう。

ひろのば体操の動画でもっと詳しく

ひろのば体操応用編

YOSHIRO SOCKSで足指の変形を改善させる!

足病医学に基づいて開発した、矯正用の5本指靴下「YOSHIRO SOCKS」を紹介します。Yoshiro Socksは糸のちからで足指を広げる靴下。外反母趾・かがみ指・浮き指・寝指・内反小趾に完全対応しています。ひろのば体操で足指の機能を向上させても、いつもチューブソックスや滑りやすい5本指靴下を履いてしまっては、その効果が半減してしまいます。

ひろのば体操の効果を100%維持し、履いている間に足指変形を改善していくYOSHIRO SOCKS。はだし感覚の履き心地と包み込むようなフィット感。最高の歩きのための素晴らしい靴下をお届けします。

YOSHIRO SOCKSは理想の足形を常に再現する形状記憶構造をしています。YOSHIRO SOCKSを履く事で、ひろのば体操と同様の効果が常に得られます。足指の変形がひどい方や早く効果を得たい方には、ひろのば体操とYOSHIRO SOCKS の併用をおすすめします。

正しい姿勢を作るために足指以外で必要なこと

枕をバスタオルで高さ調整

枕は、仰向けで寝て「唾が飲み込みやすい」高さにすることが大切。オーダー枕や市販のものは必要ありません。バスタオルを6〜8枚ほど用意して、一枚ずつ重ねていき、仰向けの状態で唾を飲み込んでいきます。そうすると、飲み込みやすい高さが見つかるはずです。それが今のあなたの姿勢に合った枕の高さになります。

足指を矯正して2週間から2ヶ月ほどすると、姿勢が徐々に変わり、枕の高さが合わなくなってきます。その時は同じように唾が飲み込みやすい枕の高さを見つけて寝るようにしましょう。

デスクワークなら30分おきに息抜きを

座りっぱなしの姿勢では、筋肉が徐々に硬くなっていきます。それが長期間続くと、筋肉だけでなく、骨の変形を引き起こしていきます。骨が変形すると、元に戻すのに時間と労力がかかります。

そうなる前に、30分おきにタイマーをセットして背伸びをする、少し歩く、仰向けで寝てみるなどを試してみてください。習慣化すると悪い姿勢で座ることができないようになります。

適正体重に近づけることも大切

実は私も体重が86キロまで増加したことがあります。体重は姿勢とは関係がないと思っていたのですが、姿勢の写真を撮ると、見事に反り腰になっていて、腰痛や膝痛もたびたび起こるようになりました。

意を決してダイエットをして、64キロまで体重を落とすと、見事に理想姿勢になっていました。それからは腰痛も膝痛も起こらなくなり、適正体重に近づけることも大切なのだと実感した次第です。

たまには砂浜を裸足で歩きましょう

私も毎週のように行うことは、裸足で砂の上を歩くということ。足裏のメカノレセプターが活性化して、足指の機能が最大限まで発揮できるようになります。

都会に住んでいると砂浜を歩く環境がないと思いますので、そんな方には公園の芝生の上でも良いと思います。アーシングでゼータ電位を増やすくことは、全身の血液の流れをスムーズにする効果もあるのでオススメです。

参考文献
  1. Computer workstations etool. Occupational Safety and Health Administration. https://www.osha.gov/etools/computer-workstations. Accessed May 20, 2021.
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  9. 外反母趾の機能解剖学的病態把握と理学療法.湯浅慶朗.理学療法 第31巻 第2号 2014.2 P159-165
  10. 『足指をそらすと健康になる』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2014.6
  11. 『たった5分の「足指つかみ」で腰も背中も一生まがらない!』湯浅慶朗/著 PHP研究所 2021.6
湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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