第17話|海外にも「足指難民」
海外の医療先進国であるアメリカ、オーストラリア、イギリスなどや他の英語圏の国々には、ポダイアトリー(Podiatry:足病学)という学問があり、ポダイアトリスト(Podiatrist:足病外科医)という足専門の医師がいます。ポダイアトリーとは足科や足病科と訳されます。このポダイアトリーは要するに足科のクリニックであります。海外には、歯医者(デンティスト)、眼科(アイドクター)、カイロプラクティックなどと同じくらい足科(ポダイアトリー)が普通に沢山の存在します。
何故なら海外の医療先進国では足の医療が進んでおり、海外の人の方が足に関心があり大事だと認識しているためです。ですからとても足科に関する医療が長年によってとても進んでいます。残念ながら、日本にはポダイアトリー(足科)はまだありません。実際ポダイアトリストが勤務している足の病院がないので、形成外科や整形外科などで補っているのが現状です。足の問題に関する知識や技術は、海外に比べると100年は遅れているとさえされています。
米国のオーダーインソールは5万円前後。日本のように健康保険は効かず(日本でも病院によっては自費で行うところもある)、全額自己負担で、決して安いものではありません。成長過程にある子どもなら、何度でも作り変える必要があるからなおさらです。しかもその子は、何度作り替えても改善しないため、私が呼ばれたのです。
足指を診て、「浮き指」が最大の原因だと確信しました。その子は非常に窮屈な靴を履き、あろうことか、作ったインソールをサンダルに入れて室内で使用していました。窮屈な靴だけでなく、サンダルもスリッパ同様、浮き指の原因となります。足型をとり、インソールを作るやり方は日米共通ですが、靴の選択はもちろん、悪い生活習慣(足を組む、横向きで寝る、スリッパを履く、大股で歩く、紐を締めないで歩くなど)の排除も重要ですから、私たちはそこまで一貫してお手伝いします。
せっかく矯正用インソールを作っても、足指のことを考えず、悪い生活習慣を改めずに使って入れば、効果は出ないのです。早速、少年の足にあった靴を求め、足指を矯正してインソールを作成し、ひもの調整もしました。その場で歩いてもらうと、痛みがなくなり、空を飛べるくらい足が軽く感じたそうです。以来、一切痛まなくなり、後日、長い感謝の手紙をもらいました。
外からの治療だけでなく
私の元には、これまで韓国やバンコク、オーストラリアやドイツから来院された方がいらっしゃいましたが、太平洋を渡って受診されたカナダ人男性もおられます。お連れ合いの方が秋田のご出身で、インターネットでホームページを見つけられたとのこと。来院時には足指もほとんど動かず、歩く姿も痛々しいものでした。
そこで足指をケアし、靴を選んでインソールを作成すると、その場で痛みなく歩けるようになりました。帰る時には片足立ちもできるようになったと大喜びでした。それまで、欧米は靴や足の先進国だと思っていました。でも、インソールや手術といった外から治す治療法が主流で、足指のケアや機能回復にはあまり重きが置かれておらず、「足指難民」が多いのが印象的でした。
手術が悪いとは思いませんが、欧米に限らず日本でも再発する方が多く見受けられます。外反母趾の手術をした方が1年ほどで真っ直ぐだった親指が元の曲がった状態になった、左ひざの手術をしたのに今度は右ひざが痛くなったなど、よく耳にします。これまで数多くの方を診てきましたが、そのほとんどが悪い生活習慣によって痛みや変形を引き起こしています。良いものを取り入れてリハビリを行うことは大切ですが、生活習慣の指導も仕事の一つだと考えています。
オススメのグッズは?
「YOSHIRO SOCKS」で「足指を広げること」をオススメしています。日中履けない方でも、家に帰って炊事の時だけ、お風呂に入って寝るまでのあいだ、朝起きて出かける前までの間だけでも効果を発揮します。歯磨きのつもりで1日1回の足指ケアを実践してみてください。
そのほかにも「足指元気くん」というグッズがあります。こちらは1日1回履いて歩くことで短時間で「足指力」を強化してくれます。YOSHIRO SOCKSと組み合わせることで抜群の効果を発揮します。
Foot care for working women
◎ Heels and toe-sliding
Want to wear heels without pain – you probably feel this way if you wear heels to work. You know that it’s not good for your feet, but you might be in a situation where you can’t choose the best shoes for your feet due to work restrictions. In such a case you have to build up the strength of your feet and toes. This is where the “HIRONOBA” exercise comes in.
Ideally your toes should be nicely spread, but you may be afraid of not being able to wear heels if your toes are wide and spread. However, having strength in your toes on a regular basis helps and prevents your toes from sliding inside the shoes. Some feel pain at the base of the big toe when wearing heels. Sliding inside the shoe is the cause of this pain.
Wearing tight shoes causes a bunion, so some people buy wider shoes. It might feel good in the beginning, however, this could cause the toes to crouch and end up in a worse bunion as the toes slide inside the shoe.
◎ Stretch your toes after you get home
Ms. I works for an airline company and works in heels all day everyday. She can’t wear sneakers to work. Every afternoon she feels so much pain in the base of her big toes that she sometimes can’t even smile.
I advised her to try the “HIRONOBA” exercise and spread her toes for 5 minutes everyday when she got home. When she came again to my office 2 weeks later, she excitingly told me that her pain was completely gone and able to sleep well at night. Furthermore, the corns on her foot were gone too and she doesn’t get as tired in heels as before.
Caring about your feet after wearing tight shoes is just like removing makeup from your face, same as caring about your skin. Maintaining your toes with this stretching exercise broadens your options of shoes you can wear like Ms. I. Even though you have bunions or you think you can’t wear cute shoes any more, try the “HIRONOBA” exercise first and see.