かがみ指(ハンマートゥ)の症状と治療方法

 

かがみ指とは?

かがみ指の種類

かがみ指とは、ハンマートゥ・クロートゥ・マレットトゥの総称です。クロートゥは、鉤爪(かぎつめ)の英語でクロー(Claw)、マレットトゥは、木槌(きづち)の英語でマレット(Mallet)、ハンマートゥは、金槌(かなづち)の英語でハンマー(Hammer)を意味します。外反母趾・内反小指・寝指の原因となる変形なので、外反母趾などを治したいと思う方は、かがみ指を改善させていきましょう。

 

ハンマートゥ
クロートゥ
マレットトゥ

 

かがみ指のセルフチェック方法

足指が真っ直ぐではなく、下向きに曲がったままの状態をいいます。 爪の向きを見ると非常にわかりやすいですが、真上からの観察すると親指とは爪の向きが違うことがわかると思います。 手の指と同様、足の指も床に対して平行になっていることが正常です。動画を見ながらチェックしてみてください。

また、足指の裏、足指の先、足指の関節が硬くなっていたり、タコがある場合、その原因はかがみ指が疑われます。子供からお年寄りまで幅広く見られ、歩くときだけギュッと曲がる「かくれかがみ指」の人もいます。

隠れかがみ指のセルフチェック方法

普段は真っ直ぐでも「隠れかがみ指」という方が多いのですが、これは足に体重をかけてみると分かりやすいです。例えば立った状態で少し体を前かがみにします。もしくは誰かと一緒に行います。体をまっすぐにさせて踵を浮かせないようにし、そのまま体重を前方に移動させてみましょう。その時に足指がギュッと曲がると隠れかがみ指と言います。

向かい合わせで体をまっすぐに
普通に立っているときは真っ直ぐでも…
踵を浮かせないように体重を前方へ移動させる
体重がかかるとギュッと曲げてしまう
 

かがみ指の原因

かがみ指の原因は、靴下や靴の中での足の「滑り」です。靴下の場合は、ブカブカのサイズのものや滑りやすい素材が要因となります。靴の場合には、大きすぎる靴や紐を緩めにしていることが要因となります。

 

かがみ指の割合

これまで6万人以上の患者様を見てきて約50%以上の方にかがみ指があり、隠れかがみ指はそれをはるかに上回ります。歩くとき片足に体重がかかった時だけ足指を曲げる隠れかがみ指は、普段立っているときは真っ直ぐに伸びているので気がつかない方が多いです。保育園調査でも86〜100%の子供にかがみ指が確認されました。

かがみ指になるとどうなる?

かがみ指になると、立った時に「踵重心」になります。指の付け根からかかとまでの距離が短くなるためです。理想的な重心割合は前方に60%、後方に40%と言われていますが、浮き指の方は前方に30~40%、後方に60~70%の体重が乗ります。

 

そうなると踵だけでバランスをとるような形になるので、上体を反らせたり(反り腰)曲げたりして(猫背)バランスを取ろうとします。姿勢反射とか立ち直り反応と呼ばれる体に備わった機能の一つです。そしてその状態が慢性的に続くと背中や腰の筋肉が過緊張を起こしたままとなるので、腰痛や首こり、肩こりを起こすようになります。ストレートネックと呼ばれるものもこれが原因です。

 

足指がまっすぐの状態だと
つま先が20度上がります
かがみ指だと
つま先は10度しか上がりません

また、かがみ指のままだとつま先が上がりにくくなるので、何もないところでつまづいたり、転びやすくなる危険性があります。最近では高齢者が転倒して大腿骨を骨折するだけでなく、転倒して前歯を折ってしまう子供が増えていることが社会問題となっています。また、足首の動く範囲が狭くなるので、運動能力の低下を引き起こす要因にもなります。

症状

・靴を履いているときの痛み
・指の上にはタコができ、足底の皮膚は硬くなる
・炎症、発赤、灼熱感
・足趾の拘縮
・不良姿勢
・口呼吸や低位舌
・歩行障害
・運動機能の低下
・転倒やつまづき

中高年者から高齢者にかけては、関節の機能が低下して日常生活に支障をきたし、日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の低下が見られます。中には歩行障害によって車椅子や寝たきり生活になる方もいらっしゃいます。

ADL(activities of daily living)とは
日常生活を営む上で普通に行っている行為や行動のことを日常生活動作(ADL)といいます。具体的には、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指します。基本的日常生活動作、日常生活活動とも言われる。コミュニケーション能力を指す場合もある。
 
 
QOL(quality of life)とは
「生活の質」とも言いますが、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。「life」には生活という意味だけではなく、生命、生涯、暮らし、人生など幅広い意味があります。

 

診断

指の形状が第1関節もしくは第2関節で曲がっていれば、ハンマートゥ・クロートゥ・マレットトゥの変形といえますが、腱性変形か骨性変形かの診断が重要になります。足指の変形を診断するには、X線(レントゲン)撮影が重要なのは、変形の度合いを確認したり、骨折の有無で治療法が変わるからです。関節リウマチの方にもよくみられる変形です。

治療

柔らかい変形のものは、装具(インソール)や靴で痛みを対処しつつ、硬くなることを予防するために足ゆびのストレッチが適応となります。硬い変形のものは痛みをコントロールことが難しく手術になることが多いのですが、自分で足指を伸ばしてまっすぐになれば、適切なケアを行うことで比較的早期に改善させることができます。自分で伸ばしてもまっすぐにならない場合には、数ヶ月〜数年かかる場合もあります。

かがみ指を放置するとどうなるのか

かがみ指は必ず痛みがあるわけではないので、変形していても放置している方がほとんどです。しかし90%以上の方が徐々に変形が進行し、痛みなどの症状が出た時には改善しない場合がほとんどです。かがみ指は足指の症状だけでなく、膝や腰、背中の痛みまで誘発することもあるので、適切な治療を受けることが大切です。重症になると、足指の爪が真下を向き、圧迫によってタコや魚の目ができます。さらには歩き方がぎこちなくなり、つまづきなどによって転倒を起こしやすく、歩行障害によって車椅子や寝たきりになる方もいます。

 

セルフケアで関節の機能を回復させる

これまでの治療方法は対症療法であるため、根本的に治ることはありません。正確には私が病院での治療だけで治ったという方を1人も見たことがないという意味です。

大切なことは、かがみ指の明確な原因を理解した上で、継続的にセルフケアを行っていくことで、症状の緩和や変形の改善を目指すことが可能です。足指の変形なので、足指に原因があると考えがちですが、実は足指が原因ではありません。そこには「靴下の素材」「靴下の形状」「靴の種類」「靴の履き方」という原因があり、結果としてかがみ指という変形を起こしているだけなのです。

遺伝的な骨格構造の弱さやリウマチによる骨破壊が原因とも言われていますが、「靴下」や「靴」という根本原因があり、十分にセルフケアで改善できるものなのです。その基本となるのが「ひろのば体操」と「YOSHIRO SOCKS」なのです。

ひろのば体操のやり方

 

YOSHIRO SOCKSの購入

 

かがみ指の改善例 Case.1


足指ケア前:かがみ指になっています


膝の痛みがあり杖をついて歩かれていました

足指ケア後:かがみ指が改善しています

膝の痛みがなくなり正座もできるように
 

かがみ指の改善例 Case.2


足指ケア前:ギュッと曲がっています
足指ケア前:杖なしでは歩けません

足指ケア後:まっすぐに伸びています
足指ケア後:痛みがなくなり杖なしで歩けるまでに回復
 
そのほかにも「かがみ指」の改善した方の写真を掲載しています。
 

【参考文献】

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ほんとうの健康づくりのコツはとてもシンプル。さまざまな健康法やアンチエイジングケア法が日々登場している中で、これってホントに効果があるの? 理学療法士として美と健康を追求し、究極の美容法・健康法の基礎が足指にあることをお伝えします。「ひろのば体操」の方法や効果、足指についての知識をみんなで共有し、世界中の人が健康になれるお手伝いをしていきたいと思います。ハルメクWEBでも美容と健康のコラムを連載中です。

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