屈み指(かがみ指・ハンマートゥ)の症状と治療方法。ガッテン出演の足指博士が自宅で治せる足指ストレッチを紹介!

目次

屈み指(かがみ指)は自宅でカンタンに治せる!

屈み指(かがみ指)の改善例1

YOSHIRO SOCKS+ひろのば体操5分

屈み指(かがみ指)の改善例2

YOSHIRO SOCKS+ひろのば体操5分

屈み指(かがみ指)の改善例3

YOSHIRO SOCKS+ひろのば体操5分

屈み指(かがみ指)の改善例4

YOSHIRO SOCKS+ひろのば体操5分

屈み指(かがみ指)の改善例5

ひろのば体操10分

屈み指(かがみ指)の改善例6

YOSHIRO SOCKS+ひろのば体操15分

屈み指(かがみ指)の改善例7

YOSHIRO SOCKS+ひろのば体操5分

屈み指(かがみ指)とは?

屈み指(かがみ指)の種類

屈み指(かがみ指)とは、ハンマートゥ・クロートゥ・マレットトゥの総称です。クロートゥは、鉤爪(かぎつめ)の英語でクロー(Claw)、マレットトゥは、木槌(きづち)の英語でマレット(Mallet)、ハンマートゥは、金槌(かなづち)の英語でハンマー(Hammer)を意味します。外反母趾・内反小指・寝指の原因となる変形なので、外反母趾などを治したいと思う方は、屈み指(かがみ指)を改善させていきましょう。

屈み指(かがみ指)のセルフチェック方法

足指が真っ直ぐではなく、下向きに曲がったままの状態をいいます。 爪の向きを見ると非常にわかりやすいですが、真上からの観察すると親指とは爪の向きが違うことがわかると思います。 手の指と同様、足の指も床に対して平行になっていることが正常です。動画を見ながらチェックしてみてください。

また、足指の裏、足指の先、足指の関節が硬くなっていたり、タコがある場合、その原因は屈み指(かがみ指)が疑われます。子供からお年寄りまで幅広く見られ、歩くときだけギュッと曲がる「かくれ屈み指(かがみ指)」の人もいます。

隠れかがみ指のセルフチェック方法

普段は真っ直ぐでも「隠れかがみ指」という方が多いのですが、これは足に体重をかけてみると分かりやすいです。例えば立った状態で少し体を前かがみにします。もしくは誰かと一緒に行います。体をまっすぐにさせて踵を浮かせないようにし、そのまま体重を前方に移動させてみましょう。その時に足指がギュッと曲がると隠れかがみ指と言います。

向かい合わせで体をまっすぐに

普通に立っているときは真っ直ぐでも…

踵を浮かせないように体重を前方へ移動させると…

体重がかかるとギュッと曲げてしまう。これが隠れ屈み指(かがみ指)です。

屈み指(かがみ指)の本当原因

屈み指(かがみ指)の原因は、靴下や靴の中での足の「滑り」です。靴下の場合は、ブカブカのサイズのものや滑りやすい素材が要因となります。靴の場合には、大きすぎる靴や紐を緩めにしていることが要因となります。

屈み指(かがみ指)の割合

これまで6万人以上の患者様を見てきて約50%以上の方に屈み指(かがみ指)があり、隠れ屈み指(かがみ指)はそれをはるかに上回ります。歩くとき片足に体重がかかった時だけ足指を曲げる隠れ屈み指(かがみ指)は、普段立っているときは真っ直ぐに伸びているので気がつかない方が多いです。保育園調査でも86〜100%の子供にかがみ指が確認されました。

屈み指(かがみ指)になるとどうなる?

屈み指(かがみ指)になると、立った時に「踵重心」になります。指の付け根からかかとまでの距離が短くなるためです。理想的な重心割合は前方に60%、後方に40%と言われていますが、浮き指の方は前方に30~40%、後方に60~70%の体重が乗ります。

そうなると踵だけでバランスをとるような形になるので、上体を反らせたり(反り腰)曲げたりして(猫背)バランスを取ろうとします。姿勢反射とか立ち直り反応と呼ばれる体に備わった機能の一つです。そしてその状態が慢性的に続くと背中や腰の筋肉が過緊張を起こしたままとなるので、腰痛や首こり、肩こりを起こすようになります。ストレートネックと呼ばれるものもこれが原因です。

足指がまっすぐの状態だと

つま先が20度上がります

かがみ指だと

つま先は10度しか上がりません

また、屈み指(かがみ指)のままだとつま先が上がりにくくなるので、何もないところでつまづいたり、転びやすくなる危険性があります。最近では高齢者が転倒して大腿骨を骨折するだけでなく、転倒して前歯を折ってしまう子供が増えていることが社会問題となっています。また、足首の動く範囲が狭くなるので、運動能力の低下を引き起こす要因にもなります。

屈み指(かがみ指)の症状

・靴を履いているときの痛み
・指の上にはタコができ、足底の皮膚は硬くなる
・炎症、発赤、灼熱感
・足趾の拘縮
・不良姿勢
・口呼吸や低位舌
・歩行障害
・運動機能の低下
・転倒やつまづき

中高年者から高齢者にかけては、関節の機能が低下して日常生活に支障をきたし、日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の低下が見られます。中には歩行障害によって車椅子や寝たきり生活になる方もいらっしゃいます。

ADL(activities of daily living)とは

日常生活を営む上で普通に行っている行為や行動のことを日常生活動作(ADL)といいます。具体的には、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指します。基本的日常生活動作、日常生活活動とも言われる。コミュニケーション能力を指す場合もある。

QOL(quality of life)とは

「生活の質」とも言いますが、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念です。「life」には生活という意味だけではなく、生命、生涯、暮らし、人生など幅広い意味があります。

屈み指(かがみ指)の診断

指の形状が第1関節もしくは第2関節で曲がっていれば、ハンマートゥ・クロートゥ・マレットトゥの変形といえますが、腱性変形か骨性変形かの診断が重要になります。足指の変形を診断するには、X線(レントゲン)撮影が重要なのは、変形の度合いを確認したり、骨折の有無で治療法が変わるからです。関節リウマチの方にもよくみられる変形です。

屈み指(かがみ指)の一般的な治療法

柔らかい変形のものは、装具(インソール)や靴で痛みを対処しつつ、硬くなることを予防するために足ゆびのストレッチが適応となります。硬い変形のものは痛みをコントロールことが難しく手術になることが多いのですが、自分で足指を伸ばしてまっすぐになれば、適切なケアを行うことで比較的早期に改善させることができます。自分で伸ばしてもまっすぐにならない場合には、数ヶ月〜数年かかる場合もあります。一般的な治療法で治ることはほとんどありません。

屈み指(かがみ指)を放置するとどうなるのか

屈み指(かがみ指)は必ず痛みがあるわけではないので、変形していても放置している方がほとんどです。しかし90%以上の方が徐々に変形が進行し、痛みなどの症状が出た時には改善しない場合がほとんどです。屈み指(かがみ指)は足指の症状だけでなく、膝や腰、背中の痛みまで誘発することもあるので、適切な治療を受けることが大切です。重症になると、足指の爪が真下を向き、圧迫によってタコや魚の目ができます。さらには歩き方がぎこちなくなり、つまづきなどによって転倒を起こしやすく、歩行障害によって車椅子や寝たきりになる方もいます。

屈み指(かがみ指)を治す自宅でできるセルフケアの方法

これまでの治療方法は対症療法であるため、根本的に治ることはありません。正確には一般の病院での治療だけで治ったという方を私は1人も見たことがないという意味です。

大切なことは、屈み指(かがみ指)の明確な原因を理解した上で、継続的にセルフケアを行っていくことで、症状の緩和や変形の改善を目指すことが可能です。足指の変形なので、足指に原因があると考えがちですが、実は足指が原因ではありません。そこには「靴下の素材」「靴下の形状」「靴の種類」「靴の履き方」という原因があり、結果として屈み指(かがみ指)という変形を起こしているだけなのです。

遺伝的な骨格構造の弱さやリウマチによる骨破壊が原因とも言われていますが、「靴下」や「靴」という根本原因があり、十分にセルフケアで改善できるものなのです。その基本となるのが「ひろのば体操」と「YOSHIRO SOCKS」なのです。

1. ひろのば体操

子供の屈み指(かがみゆび)は、ひろのば体操で治すことができます。理想的には1日2回行うことですが、難しい場合には1日1回5分を目安に行ってください。2週間〜3ヶ月ほどで効果が出てきます。しかし、靴のサイズ・靴の履き方が誤っていると再発を繰り返したり、思うような効果を得ることができません。理想的には靴のサイズ・靴の履き方を

2. YOSHIRO SOCKS(足指矯正サポーターソックス)

大人の屈み指(かがみゆび)は足指矯正サポーターソックスがおすすめ。子供と違って大人の場合には、筋肉や靭帯、関節まで硬くなっている場合がほとんどなので、ひろのば体操だけでは矯正が追いつかないことが多いのです。YOSHIRO SOCKSであれば、履いている時間はずっと矯正ができるので、短期間で効果を実感することができます。


臨床データ(科学的根拠)

50名を対象にかがみ指に対する、「ひろのば体操」と「YOSHIRO SOCKS」の効果検証を行った。結果、2ヶ月後にはかがみ指率が81%だったものが51%まで減少し、有意差が認められた。

参考文献

1) 浅井 仁,奈良 勲,立野勝彦・他:立位姿勢保持における足指の作用に関する研究.理学療法ジャーナル,1989, 23: 137-141.
2) 糟谷俊典,村上忠洋,柘植英明・他:安静立位での姿勢調節における足趾の働き─虚弱な高齢者と若年者との比較─.臨床理学療法研究,2010, 27: 89-92.
3) Steindler A: Kinesiology of the human body under normal and pathological conditions. Charles C Thomas, Springfield, 1977, pp436-438.
4)Jarrett BA, Manzi JA, Green DR: Interossei and lumbricales muscles of the foot. An anatomical and functional study. J Am Podiatry Assoc, 1980, 70: 1-13.
5) 日本整形外科学会編:整形外科学用語集,第8版.南江堂,東京,pp56,77,169.
6) 渡邉耕太:足趾の疾患 成人lessor toe障害.槌趾,ハンマー趾,鉤爪趾.関節外科,2013, 32: 80-86.
7) 安田稔人,木下光雄:足趾の痛みの診断と治療 槌趾・ハンマー趾変形の診断と治療.Mon Book Orthop, 2010, 23: 39-43.
8) Schrier JC, Verheyen CC, Louwerens JW: Definitions of hammer toe and claw toe: an evaluation of the literature. J Am Podiatr Med Assoc, 2009, 99: 194-197.
9) Shirzad K, Kiesau CD, DeOrio JK, et al.: Lesser toe deformities. J Am Acad Orthop Surg, 2011, 19: 505-514.
10) Gilroy AM:プロメテウス解剖学エッセンシャルテキスト.中野 隆(監訳),医学書院,東京,2019,pp361-375.
11) Kelly LA, Kuitunen S, Racinais S, et al.: Recruitment of the plantar intrinsic foot muscles with increasing postural demand. Clin Biomech (Bristol, Avon), 2012, 27: 46-51.
12) Menz HB, Morris ME, Lord SR: Foot and ankle risk factors for falls in older people: a prospective study. J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 2006, 61: 866-870
13) Jung DY, Kim MH, Koh EK, et al.: A comparison in the muscle activity of the abductor hallucis and the medial longitudinal arch angle during toe curl and short foot exercises. Phys Ther Sport, 2011, 12: 30-35.
14) 中野 隆:機能解剖で斬る神経系疾患,第2版.メディカルプレス,東京,2018,p58.
15) Coughlin MJ: Mallet toes, hammer toes, claw toes, and corns. Causes and treatment of lesser-toe deformities. Postgrad Med, 1984, 75: 191-198.
16) Bade H, Tsikaras P, Koebke J: Pathomorphology of the hammer toe. Foot Ankle Surg, 1998, 4: 139-143.
17) 水野祥太郎:ヒトの足の研究-扁平足問題からの展開-.医歯薬出版, 1973.
18) 水野祥太郎:ヒトの足-この謎にみちたもの-.創元社, 1984.
19) Mickle KJ, Munro BJ, Lord SR, et al.: ISB Clinical Biomechanics Award 2009: toe weakness and deformity increase the risk of falls in older people. Clin Biomech (Bristol, Avon), 2009, 24: 787-791.
20) Coughlin MJ: Mallet toes, hammer toes, claw toes, and corns. Causes and treatment of lesser-toe deformities. Postgrad Med, 1984, 75: 191-198.
21) Bade H, Tsikaras P, Koebke J: Pathomorphology of the hammer toe. Foot Ankle Surg, 1998, 4: 139-143.

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次