足指変形と運動能力の関連性の研究。ひろのば体操を保育園で検証。

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ひろのば体操で園児たちが転ばなくなった!やる気と自信もついた

「この頃は、本当によく転ぶねぇ」「手が出ないで、顔からそのまま行くのよね」福岡県筑後地方保育士会からこんな話が出ました。

子供達が転びやすく、危機感があった

このときに限らず、子どもたちのバランス感覚や運動能力の衰えは、近年、保育士さんたちの間でたびたび話題になっていました。そのころ、保育士さんがたまたま出席した研修会で、講師が言われた「皆さんは子どもの足の裏を見たことがありますか?」という問いかけに、とても引きつけられたそうです。

「言われてみれば、毎日、子どもたちの手を握ったり、様子に気を配ったりしていても、足の裏は見たことがなかった」と。足の裏と運動能力の衰えに、何らかの関係があるのかもしれないと考えた保育士さんは、この時の常任委員がいた8つの園に呼びかけて、子どもたちの足の裏のスタンプを取ることにしました。

足型がどう役に立つのか、まったく手探りでしたが、とにかく何かしなければと動き始めたのです。そして集まった188枚の子どもの足型を、人づてに「足専門の先生」と聞いた、私のところに持参していらっしゃったのです。

ひろのば体操を2ヶ月やっただけで明らかな変化が

スタンプを見て、保育士さんたちは土踏まずばかりを気にしていたのですが、私が見ていたのは足指でした。「浮き指」や「かがみ指」などと言っても、今でこそ保育士さんにはわかりますが、当時はチンプンカンプンのようでした。

このことをきっかけに、私が園児の運動能力調査に行き、「ひろのば体操」を指導し、その効果判定をすることにしました。3つの保育所を対象に、「ひろのば体操」を行う群と行わない群に分け、ジャンプ・行進の能力(子どもの成長発達に応じた基本的な動作の獲得)の変化を見たのです。

その結果、2ヶ月後には、「ひろのば体操」を行なった群のほうが、明らかに運動能力が向上しました。その後、対称群の子どもたちにも「ひろのば体操」をさせたところ、同じように運動能力が向上してきたのです。

運動能力に対する、ひろのば体操の効果

2012年に筑後地区保育士会の依頼により、なぜ現在の子供達は運動能力が低下していっているのかを調べるために調査がスタート。靴の履き方や選び方による足指の変形が原因の一つであることが判明しました。そこで「ひろのば体操」でどれくらい運動能力が変化するのかを1年間かけて調べていきました。すると全ての保育園で運動能力が向上し、転倒予防にも効果があることが実証されました。(FC方式=ひろのば体操:湯浅慶朗考案)

運動能力の変化

2011年の福岡県筑後地区保育士会との共同保育園調査・研究で「運動能力」向上に効果があることが立証され、全国保育士会でも論文が発表されました。興味深いのは園児たちの運動能力に差がなくなったことで、このことから運動能力が向上したのではなく、人間が元々持っていた潜在的な運動能力を取り戻すことができたと示唆されます。つまり人間の持つ運動能力は遺伝などによる差はなく、全ての人間に平等に与えられるということです。


ひろのば体操は、1日数分でも効果は絶大

ひろのば体操は1日3〜5分でも、効果は絶大です。裸足保育で靴や靴下を履く機会が少ないので、効果も出やすかったのだと思います。子どもたちは、明らかに転ぶことが減り、バランス感覚が良くなりました。例年は全員ができるのに秋までかかっていた縄跳びが、「ひろのば体操」を取り入れた昨年度は、夏の間にできるようになりました。

ひろのば体操による縄跳び回数(最大)の変化

縄跳びの変化
ひろのば体操 導入前
118回
ひろのば体操 導入後
857回

竹馬は、以前は指の間にマメができて「痛い、痛い」と言いながら時間をかけて慣らしていましたが、ひろのば体操を導入した今年は、指の間が広がってきたので痛いとも言わず、マメもできずに早く上達しました。側転なども、きれいに回れる子が多くて感心するそうです。

何より良かったのは、子どもたちが自分に自信を持てるようになったことです。そのことは、親御さんたちも感じてくださっているようで、「このころ、子どもが色々なことに前向き」「やる気が出てきた」などの声が聞かれるそうです。

保護者には靴のアドバイスを

保護者には、「ひろのば体操」のやり方とともに靴の選び方について、お便りでお知らせしているそうです。「子どもの靴の中敷を外に出し、上にお子さんの足を乗せてみてください。はみ出る場合は、靴が小さいのです」とお便りに書いたところ、「知らなかった!」という声が多く寄せられました。

足より1〜2㎝大きい靴で、甲のところでしっかりベルクロ(マジックテープ)で留まる靴を選んでくださるようにお願いして、ご理解をいただいています。ゆあさ式足指体操(ひろのば体操)のこうした成果については、全国の保育士の研究大会でも発表し、大きな反響がありました。

1日数分の簡単な足指体操で、子どもたちの運動能力が高まり、自信がつくのですから、ぜひ全国の保育園や幼稚園に広まって欲しいと願っています。

NHKサキどりに出演

ひろのば体操(足指ストレッチ)は保育園等との共同研究により様々な効果が実証されています。西日本新聞にもその実績が連載として掲載され、NHKサキどりでは「足育」「原因不明の痛み改善のスペシャリスト」の第一人者として紹介され、放送後に大反響を呼び「足育」のアンコールスペシャルが企画。

NHKサキどりPart.1

子供からお年寄りまで転倒防止に効果がある「足育」を再放送し、更に足に良いウォーキング法を新たに紹介されました。「足育」とは、足・足の指・足の爪、さらに靴などの正しい知識を得て、理想的な足を育てること。足育で正しい歩き方・正しい姿勢が身につけば健康になれると、今、医療関係者や教育現場では注目を集めています。

転倒骨折による経済的損失はなんと9136億円!高齢者が寝たきりになる原因第4位の転倒。それを予防する可能性を秘めているのが、ひろのば体操なんです。

NHKサキどりPart.2

全国の保育園に「ひろのば体操」の魅力を伝えたいと思い、保育園調査についてマンガを作りました。保護者の方にも配布して、子どもたちがより健康に育って欲しいと願っています。

ひろのば体操で足指の機能を回復させる

「運動能力」や「転倒」は、これまで治療方法が確立されておらず、民間の治療院は対症療法であるため、根本的に治ることはありません。正確には私が病院での治療だけで治ったという方を1人も見たことがないという意味です。

大切なことは、運動能力の低下の明確な原因を理解した上で、継続的にセルフケアを行っていくことで改善を目指すことが可能です。運動能力なので、遺伝や運動不足などに原因があると考えがちですが、実は足指が原因で起こることがあります。そこには「靴下の素材」「靴下の形状」「靴の種類」「靴の履き方」という原因があり、結果として「運動能力低下」という症状を起こしているだけなのです。

「靴下」や「靴」という根本原因があり、十分にセルフケアで改善できるものなのです。その基本となるのが「ひろのば体操」と「YOSHIRO SOCKS」なのです。下記サイトに詳細に記載しているので、1日1回を目安に継続してみましょう。早ければ3週間ほどで効果が出てきます。

ひろのば体操

足指矯正サポーターソックス

YOSHIRO SOCKS

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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