足指を広げるケアで、顎関節症やかみ合わせの治療成績が向上

Y先生は歯学部の学生時代から、歯のかみ合わせと足の状態に深い関係があることを認識していました。

足指とかみ合わせは深く関連している

 

大学在学中、広島大学の先輩であり、かみ合わせの治療で有名な藤田先生の医院で見学をしていました。藤田先生は、あごの関節の痛みや口の開きにくさ、異常音などの症状が起こる顎関節症の患者さんたちに対して、足のバランスをよくする中敷き(インソール)を作成していました。

藤田先生は、「下のあごの位置が正しい位置になければ、いくら歯並びが良く見えても、それは正しいかみ合わせとは言えない」ということを教えてくれていたそうです。このことを「ニュートラル。リレーション」という言葉で表わします。

九州の現在の地にY先生が開業からは、かみ合わせと足指の関係のことが頭のすみにはあったものの、両者の関連をどう臨床にいかせばよいかわからないまま、通常の歯科診療や矯正治療を行なっていました。

ところが、たまたま開業された近くで私の講演会が開催されました。Y先生が受講してみたところ、足指が正しい位置(「ニュートラル・ポジション」と表現していました)にないと、全身のさまざまな障害を起こすという話を聞いて、「これだ!」とピンときたそうです。それから、私のセミナーで足指の勉強を始め、今では、その知識や実践法を、日常の歯科の診療に大いに活用されています。

 

足指の調整をしてから歯科治療に入る

Y先生のところは歯科医院ですが、歯科の診療や矯正治療に入る前、まず足指の調整や足指を正すための指導から行います。なぜなら、足指を広げることで全身の姿勢が変わり、あごの位置も変わるからです例えば、歯科の診療や矯正治療を受けにみえた患者さんの足指が、浮き指、かがみ指、寝指、外反母趾などで正しい位置にない場合、下あごの位置も、それに呼応して異常になっていることがあるのです。

足のバランスが右に偏っていれば、あごの右側に強い力がかかり、足のバランスが後ろに偏っていれば、あごの奥側に強い力がかかる、という具合です。このようにバランスが崩れた状態のまま、歯の詰め物やかぶせ物をしたり、矯正治療をしたりしてしまうと、足の位置が正しくなったときに、かえってバランスをくずすことになってしまいます。

そもそも偏ったバランスのまま歯科治療をすること自体、こりや痛みなど、全身の不調を招く危険性もあって良くありませんそこで、Y先生の医院では、かみ合わせの治療や矯正治療の患者さんで足指のズレが特に大きいかたは、まず足指を整えてから治療に入るのです。

このやり方を取り入れて以来、特にかみ合わせや顎関節症の治療は、非常にうまくいくようになりました。足指のケアを取り入れる前なら、手こずっただろうと思われる症例でも、直しやすくなったそうです。中には、驚くほど良くなるケースもあります。

 

Toe Functional Training(足趾筋機能訓練)によるかみ合わせデータ

 

ここで見て欲しいのは、咬合面積と咬合力の部分です。左右の歯で計測していますが、へだたりがあった咬合面積も咬合力もバランスが良くなっています。緑色がBefore、青色がAfterです。

 

 

顎関節症と頭痛が歯科治療なしで治った!

 

例をあげましょう。ある40代の女性は、顎関節症で口が開けにくく、頭痛がありました。そこで、「まずはかみ合わせの検査をしてみましょうか」と提案しました。同時に、足指を広げる矯正用の5本指靴下(現在のYOSHIRO SOCKS)を紹介したところ、このかたは早速はき始めたようです。すると、次の来院日には、口がスムーズに開くようになって、頭痛も消えていたのです。

Y先生が側頭部を触診しても、かみ合わせの異常に伴う痛みが消えていました。つまり、このかたは、足指を広げるだけで、かみ合わせの治療が必要なくなったのです。足指の変形が、かみ合わせの悪い原因になっていた可能性のあることがわかります。30代の女性。あごの痛みで、あごをを横に大きく開いて笑うことができなかったが、3週間ほどで痛みがなくなり普通に笑えるようになった。指も2本ほどしか入らなかったが、あごの痛みが改善し3本はいるようになった。

 

かみ合わせが改善し頭痛が消えた

また、別の40代の女性は、かみ合わせが非常に悪く、足指の変形もひどかったので、足指を広げる矯正用の5本指靴下(現在のYOSHIRO SOCKS)を勧めたところ、Y先生の医院からはいて帰られました。同日の夕方電話があり、「先生、あの靴下はすごい!」とおっしゃるのです。

聞けば、「腰が痛くなって半日寝ていたが、あの靴下をはいた後はすっかり調子が良くなり、腰痛も消え、かみ合わせが良くなったことが自分でもわかる」と言います。普段から、ご自身の身体の状態が非常に敏感にわかるかたなのですが、「全身のバランスが良くなったようだ」とおっしゃっていました。後日、診察したY先生から見ても、確かに体のバランスが整い、かみ合わせが改善していました。

これらは、矯正用の5本指靴下で足指を広げた例ですが、ゆあさ式足指体操(ひろのば体操)を続けることでも、同じように足指が広がり、かみ合わせの改善が促されるそうです。かみ合わせの悪さや顎関節症に悩み、治療を受けてもなかなか改善されないというかたは、ゆあさ式足指体操(ひろのば体操)・YOSHIRO SOCKSを取り入れてみてください。足指が広がって体のバランスが整い、かみ合わせの改善が期待できます。

 

顎関節症で口が開けられなかった40代の女性
・2週間ほどで痛みもなくなり、顎関節症が改善
・足指を見ると「かがみ指」の変形があるが、2週間ほどで改善
・足指がしっかりと開くようになるに伴い、あごの痛みもなくなっていった
・反り腰が強かったが、足指の改善とともに姿勢も良くなっている。

 

自然と理想的なかみ合わせへと導く、ひろのば体操とYOSHIRO SOCKS

「ひろのば体操」のやり方を写真で簡単にご紹介します。

ひろのば体操

 

また、ストレッチをして腰の痛みがなくなったからといって、それは必ずしも完治しているとは限りません。筋肉を硬くしてしまう要因が残っていると痛みが再発してしまいます。足指を矯正する靴下を履いて、足指の使い方を再学習させることも大切です。YOSHIRO SOCKSは足指矯正用の5本指靴下です。

YOSHIRO SOCKS

 


【参考文献】

1)足・ひざ・腰の痛みが劇的に消える「足指のばし」 : 2014.6.30:湯浅 慶朗

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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