足指を広げて伸ばす「ひろのば体操」で寝たきり生活から奇跡の生還

車イスを覚悟していた中尾さんは、ひろのば体操を行った直後に、杖なしで歩けるようになりました。

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ひろのば体操をしていたら、NHK番組の取材中に歩けた!

中尾さんがはじめて私を訪ねた日、たまたま、「NHKサキどり」という番組の取材が重なり、中尾さんの治療風景を撮影することになりました。その日までの3年間、中尾さんはベッドから自力で起き上がれず、杖をついても、ご主人の介助なしには歩くことができませんでした。

ところが、ひろのば体操を数分やっていただいた後、魔法のくつ下(YOSHIRO SOCKS)を履いて立ち上がると、歩きづらさが消え、1人で杖をついて歩くことができました。歩行練習を始めて15分後、「今度は杖なしで歩いてみましょう!」とお話ししました。「え?」と言われましたが、試してもらうと、しっかり歩くことができたのです。

中尾さんは心の中で祈っていました。「どうか、歩ける状態のこのまま、時間よ止まって!」と。会社を辞めて中尾さんの介護を続けてきたご主人は、驚きのあまり言葉を失っていました。このシーンがNHKで放送され、番組を見たかたから「よかったですね」と言われるようになったそうです。もちろん、私にとっても衝撃でしたし、ご主人は「魔法がかかったみたいだ」と思ったそうです。

 

歩けなくなると覚悟し、家をバリアフリーに改造

もともと中尾さんはカラダを動かすことが大好きで、山登りやウォーキングを楽しむなど活動的に暮らしていました。ところが19年前、足腰に異変をきたし、頚椎の手術をしました。頚椎の1番と2番の位置がずれ、放置すると神経が圧迫されて歩けなくなるため、1番と2番の骨をはずし、頚椎と頭部間に金属を入れて固定されました。

手術は成功し、術後は首を左右に回せない、腕を肩より上にあげられないなどの制限はありましたが、しばらくは普通に暮らしていました。ところが、首や腕、肩をじゅうぶんに動かすことができないので、筋力が落ちていき、やがて肩や背中は、鉄板が入ったかのように硬くなりました。

ご主人が全力を込めて肩や背中をもんでも、まったく指が入りません。背中の張りを取りたくても、金属が入っているので、電気治療は受けられず、湿布をするくらいでした。こうした状態が数年続き、60歳の誕生日を迎えた直後、首と肩が重くなり、足も動かなくなりました。杖なしでは立てないので、台所仕事もできません。

ご主人は65歳までの定年延長を急きょ1年で辞めて退職し、家事と介護に専念。中尾さんが車椅子になることを覚悟して、家をバリアフリーにリフォームしました。1日のほとんどをベッドで過ごしていた中尾さんですが、「車椅子だけは嫌」と落ち込んでいました。そんなとき偶然、新聞の連載記事で私のことを知り、私に会いに行けば「自分は元気になる」と直感したそうです。

 

バリアフリーの手すりが、今は物干しになっている

私は中尾さんの足の指をチェックし、左足の変形が特にひどく、外反母趾と、人さし指が中指に乗りあげていることを指摘しました。中尾さんは首や肩が悪いせいで歩けなくなったと思っていましたが、私は「足指が悪いんです」と一言。中尾さんは「私の話を全然わかってくれない」と思っていたそうですが、はじめにお話ししたように、間もなく歩けるようになり、「足指のせいだった」と納得。

なにしろ初回のケアだけで、背中にはりついていた鉄板のような硬さが消え、首や肩、背中の重さが100%なくなって、杖を使わずに歩けるようになったのです。自宅に戻ってからも、良くなりたい一心でひろのば体操を朝昼夜と続けました。すると2週間後、かちかちに固まっていたカラダが軟らかくなり、立ち上がれるようになったのです。中尾さんは俄然やる気が出て、足指を徹底的にケアしました。

 

ひろのば体操は長い時間やる方が良い

今は、ひろのば体操を朝と晩の2回行っています。片足15分ずつ行い、その後は足の指を1本ずつもんだり伸ばしたりして、合計で1時間半は足の手入れをしています。足指の変形は徐々に改善し、それに伴って歩く距離も少しずつ伸び、体調がいい日は、1〜2時間程度、杖なしで歩けるようになりました。バリアフリーの手すりは、今では洗濯物干しになっています。

ひろのば体操を始めて、体重は46kgから42kgに減りました。ゆあさ式足指体操(ひろのば体操)が減量に役立ったとのこと。4年前から肩こりや腰痛に悩まされていたご主人も、ひろのば体操を湯ぶねの中で片足5〜6回ずつやり、魔法のくつ下をはいたところ、4日で両足の浮き指と寝指が改善し、腰痛と肩こりが解消しました。中尾さんが歩けるようになり、ご主人は腰痛がなくなったので、休んでいた畑仕事を再開しました。

 

NHKガッテンでも紹介された「ひろのば体操」

 

https://www.youtube.com/watch?v=DUJPckXa4cw

 

 

寝たきりからでも回復できる足指ひろげ、ひろのば体操とYOSHIRO SOCKS

「ひろのば体操」のやり方を写真で簡単にご紹介します。

ひろのば体操

 

また、ストレッチをして腰の痛みがなくなったからといって、それは必ずしも完治しているとは限りません。筋肉を硬くしてしまう要因が残っていると痛みが再発してしまいます。足指を矯正する靴下を履いて、足指の使い方を再学習させることも大切です。YOSHIRO SOCKSは足指矯正用の5本指靴下です。

YOSHIRO SOCKS

 


【参考文献】

1)足・ひざ・腰の痛みが劇的に消える「足指のばし」 : 2014.6.30:湯浅 慶朗

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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