第13話|ひろのば体操で劇的変化

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ひろのば体操で劇的変化

2ヶ月で運動能力が劇的変化




筑後地区の保育園では毎朝の登園時、保育士さんと一緒に片足20回ずつ、「ひろのば体操」を行いました。2ヶ月やった園は、やらなかった園と比較して「ジャンプ」「しゃがみ」「行進」の三つの動作が改善しました。保育士さんからは「かけっこが早くなった」「登り棒がうまくなった」などに加え「積極的に外遊びをするようになった」という報告があったのですが、その理由については次回に。

保育園初の7段跳び!

登り棒が早くなった!


足指をひろげて伸ばす「ひろのば体操」

福岡県筑後地区の保育園で効果を上げた足指の体操。誰でも覚えやすいように、足指をひろげて(ひろ)伸ばす(のば)体操という意味で、「ひろのば体操」と命名しました。堰堤が狭かったり、コンクリートという環境でも有効です。具体的なやり方は以下の通り。※当時は正式名称がなかったので「FC方式」と名付けていました。

ひろのば体操をやってみよう!

「ひろのば体操」とは、2008年に湯浅慶朗が開発した、足指を広げて(=ひろ)伸ばす(=のば)、足指と足のストレッチのこと。左右の足を合わせて1日1回、5分もやれば効果があります。園児の場合には、20回ほどゆっくり繰り返せば効果が出始めます。驚くほどカンタンにできるので、まずは映像を見ながら実践してみましょう!やり方さえ覚えてしまえば、寝る前でも、お風呂の中でも、テレビを見ながらでも、いつでも気軽にできる体操です。まずは、3ヶ月を目標に続けてみてください。

足指がひらかない人は長めに

ひろのば体操の直後が、足の筋肉が柔らかいので、「パー」の練習をすると効果的です。まずは30秒間の「パー」ができることを目標にやってみましょう。


STEP1

いす、または床の上に座り、片方の足を太ももの上に乗せる


・膝をなるべく倒す
・足首が上に反らないようにする
・ももの上にきちんと足を乗せる

・足の甲はしっかり反らせましょう
・足首が少し太ももから出るようにします

STEP2

足指の間に、手の指を入れる


・手指の根元に、1本ずつ足指の先端を入れる
・足指の根元にすきまができるようにする

・手の根元に足指の先端だけが乗るようにする
・手の根元にぴったりと足指先密着させる

STEP2-2

足指の間に、手の指を入れすぎないように

⭕️OK

・足指が手の指から出ないくらいが理想です
❌NG

・足指の根元まで手指を入れるとうまく曲げれません

STEP3

足指を入れた手を優しく握る

⭕️OK

・足指の付け根より少し上に手がくるよう、優しく握る
・手の親指で足の親指を軽く押さえる
❌NG

・手の指を足の付け根いっぱいまで差し込んでいると反らせにくい

STEP4

足指を甲の方へそらす


・優しく、ゆっくりと反らせる
・手の根元で足指先を押すようなイメージ
・足指の関節が90度になると理想的
(かたい場合には無理をしない)
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープする)

・やさしく、ゆっくりと
・甲を伸ばすイメージで反らせていく
・手のひら全体で足裏を軽く押す
・反らせたら5秒以上キープ
(かたい場合には30秒キープ)

STEP5

STEP4を繰り返す。STEP4を繰り返したら、逆の足も同じように反らせる。両足で最低5分ほどできればOK。かたい場合には、片足10分ほど行うと効果的です。


ひろのば体操応用編

自分で行うことが難しい場合には、誰かにやってもらいましょう。

大人はこれを両足で5分間。1日最低1回、できれば2回。足を1日使ったあとの、夜に行うほうが効果的です。最初はきつくても、やるうちに少しずつ可動域が広がり、足指が伸びます。力を思い切り入れず、ゆっくり無理のない範囲でやるのがポイントです。

継続させるコツは歯磨きと同じで、毎日行うこと。1日支えてくれた足に対して感謝の気持ちを込めながら、まずは最低3ヶ月、続けてみましょう。1日1回この体操をしないと気持ちが悪いというぐらいになると「習慣」になります。


◎ Jumped beautifully within 2 months.

When I visited Mishima Preschool in Ohgi-machi, Fukuoka, I quickly spotted a boy who was unable to jump without letting both feet go off of the ground at the same time. I asked some teachers about him, and they said that he would fall quite often, was unable to jump-rope, or jump over the vaulting box like other kids do. Therefore he was more introverted and didn’t quite get along with other kids.

He reminded me of my childhood when I couldn’t even do a pullover on the bars whereas everyone else in my class could, so I could totally relate to him. After talking to the teachers we decided to have all the kids do the “HIRONOBA” exercises 20 times on each foot every morning when they come in.

Two months later I visited the preschool again and what surprised me was that the boy I mentioned about was jumping in such a nice form! The teachers told me that he doesn’t fall as often as he used to any more and now he can run around with the rest of the kids. I was very happy to see him looking much more confident than before!

◎ It may not be due to heredity.

The teachers told me that the boy’s classmates also knew that he always had a hard time playing sports that they did the HIRONOBA exercise with him to support him. Although I used to think that the athletic abilities mostly depended on the genetics, it made me think differently after witnessing the radical change in this boy’s ability.

As his toes got straightened and he was able to firmly grip the ground, he was naturally able to use his feet. He must have become confident in himself, as he is now able to do what everyone else was able to as well. He is now able to challenge himself with jump-ropes and jumping the vaulting box.

The “HIRONOBA” exercise is very simple that any preschoolers could put it into practice. If you can see a result in such a short term, it can surely motivate the adults as well as the kids. It’s also great to work together as you encourage one another. If there is any child who seems to have challenges in reflex, let’s try the “HIRONOBA” exercise together with him/her. The cause might be his/her non-straight toes, not his/her athletic ability.

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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