第18話|足の問題は万国共通

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矯正靴メーカーでの靴の処方

足指の機能を考える上で、靴選びはとても重要なポイント。時間があれば靴屋さんをめぐって勉強しています。普通、私が患者さんにお勧めする靴は米国製(当時2013年)。何しろ足指に関しては独学の部分が多かったので、足病学については日本の一歩も二歩も先に進んでいる憧れの米国に行った折は、もちろん靴屋さんに足を運びました。

 訪れたのは、あるメーカーの直営店。もともとは矯正靴メーカーだったので、直営店ではどのような靴選びやアドバイスをしているのか、興味津々でした。つえをついた客が目につく店内。指名で選ばれるスタッフは意識が高く、接客は非常に丁寧でした。

 足の悪い方が病院を受診すると、この直営店に紹介状が送られ、足病医の指示で症状に即した靴が選ばれます。だから、ファッション感覚で靴を選びに来る人はほとんどいません。フットチェックに始まり、いろいろな靴を履いては何度も何度も歩いてもらい、1時間以上もかけて靴を選ぶのです。ここまで入念なチェックは、日本では見たことがありません。

 また、靴べらを使わずに試し履きをすると、怒られます。それほど靴は重要視されているのです。ところが、です。私を担当してくれたジョンさんの対応は実に的確だったのですが、それほどの専門家でも足指の機能については視野の外なのです。もちろん、履けば足指が開き、足の形が良くなる「YOSHIRO SOCKS」のような五本指靴下もありません。

 それが意味するのは、この店での靴選びが症状の改善にあるのではなく、それ以上悪化しないことを目的としているということ。そこで私は、変形した悪い状態の足に靴を合わせるのではなく、足指の機能を発揮できるような状態にまでして、その足に靴を合わせる―という私たちのやり方を説明しました。その場でジョンさんに、即席で足指の機能を向上させるレクチャーを行い、そのことで起きた体の変化を示すと、非常に驚いていました。

 足の問題は万国共通。私のやり方も捨てたものじゃないと自信を持った米国行きとなりました。米国の矯正靴メーカーを超える靴を作りたいという想いで、ハルメクと共同開発を行い、YOSHIRO MODELの靴が誕生しました。インソールも特許を取得したものが標準で装備されているのも嬉しいですね。

あとがき

 紐靴を座ったまま結び、体重を乗せて結ぶ人が少ないことに興味深かったです。丸紐という方も多く、そのほとんどが紐は緩めでした。

男女問わず通勤にはスニーカーを履く米国人。健康意識はどの国よりも高く、仕事用の靴をパンプスに指定するだけでも訴訟問題になるほどです。仕事をしている人の足元を見ると確かにスニーカーを履いている人が大半でした。しかしカウンセリングに来られる米国人を見ると靴の選び方は良くても、履き方で悪くしている人が多いように感じました。

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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