欧米ではスタンダード! 日本の足病学は100年遅れている

  • 2020年7月9日
  • 2020年8月6日
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生涯で約128,000 km歩くことができることを考えると、健康的な足は全体的な健康の重要な部分になります。足の問題は、生活の質に大きな影響を与える可能性があり、もし足に問題が起きたときには足病学が助けになります。

足病医は何をするのか

足病学でも解決できないもの

アメリカでは足を診る専門の医師、足病外科医の数は17,000人近くいます。そのほとんどが足専門医として開業するには、通常の医師と同じで4年間大学で勉強した後、さらに4年間、ポダイアトリーの専門教育を受け、その後3年間の研修期間があります。それでやっと国家資格がもらえるシステムです。これは一般の医師免許と区別された、ポダイアトリストという医師免許。ポダイアトリストは整形外科、形成外科、外科、皮膚科、血管外科などに通じて、足の病気やトラブルについて専門的に学んだ医師だけが得られる資格です。

それに対して日本では、整形外科の教科書で、足について書いてあるのはわずか20ページほど。理学療法の分野でも足についての名称くらいです。整形外科医でも理学療法士でも足の専門家がいないのには、そういった教育的な問題があるからなのです。それだけでもかなりの遅れをとっていますが、足の問題がカラダのあらゆる症状とつながっているのかということは足病学の教科書にも記載されていません。また、足指学については1ページほどの記載のため、足病学の基礎となる部分が完全に抜け落ちているのです。

ですから外反母趾やハンマートゥなどの足の変形、足底筋膜炎、ハイアーチ、モートン病、巻き爪など、対症療法的な治療は可能でも、根本的な解決には至らないのです。確かに足のトラブルの原因は一つだけ。それは足のアライメントの異常。生活習慣や歩き方、履いている靴などがそのトラブルの悪化を助長することは間違いありません。それらが起こす問題は、骨の変形だけとは限らず、皮膚や血管、靭帯や筋肉にも関係しています。

しかし足や靴だけ解決できても、足指の問題が解決しない限り、寛解と悪化を繰り返します。足指の問題は、靴やインソールなどでは解決できるものではないからです。病院で処方されるインソールの目的は「今の状態よりも悪化させないため」であり、今の状態を良くするためのものではないことも知っておく必要があると思います。それは欧米の足病学でも同じ概念です。

 

足指病学がこれからの医療を変える

足病医は、足にトラブルがあれば装具を処方します。装具は、オーダーメイドのインソール、パッド、およびアーチサポートで、根本的な治癒のためではなく「痛みを和らげる」ために処方されます。たとえば、足の硬い皮を取り除いたり、足の爪を切り取ったり、それらは原因を取り除くことではなく、今起こっていることに対して症状を和らげるために行なっているもの。

足病医は、履物についてアドバイスし、足を適切に管理できるよう指導を行います。スポーツや運動に関連する怪我の予防、診断、治療など、より複雑な足の問題にも役立ちます。しかし現状を維持するためのものであって、本来のカラダの使い方に戻すということではありません。治療や予防は、身体を理想的なアライメントに戻すことこそ可能となります。

つまり足・ひざ・腰・首・頭を理想的なアライメントに戻し、関節・筋肉・靭帯・血管・内臓などに負担がかからないようにするとことです。そのためには足指の変形を改善させていくことがとても重要で、足指を専門に診る病院がないことが、ひざ痛や腰痛の問題を抱える人が年々増えている原因となっています。足指病学の専門家は日本のみならず、欧米でもいません。だからこそフットケアセンターを設立し、その正しい知識と技術を体系化させていったのです。

保険診療では診断名をつけなければ国からお金が支給されません。足指病学は診療報酬として確立されていないため、自由診療でしか行えないことがネックとなっています。また、欧米と違い、日本の診療システムでは、初診時に20分以上時間をかけてじっくりと診ることができません。私がいた頃でさえも初診20分、再診15分という短い時間で行なっていました。それでは解決できる問題も解決でいないという悪循環になったのです。

 

足のトラブルは専門的な科がない

皆さんは、足が痛いと思ったとき、どこへ行きますか? 骨にヒビが入っているかもしれないなら整形外科、タコや魚の目があるなら皮膚科でしょうか? 外反母趾があるなら…果たしてどこへいきますか? 巻き爪の痛みなら??そんな「足」の悩みやトラブルを総合的に診てもらえる医療機関があったらいいですよね?

日本ではまだ知られていませんが、アメリカではポダイアトリー(Podiatry:足病学)という学問があり、ポダイアトリスト(Podiatrist:足病外科医)という足だけの医師がいます。実は、日本でも足専門のクリニックがありました。それが私のいたクリニック附属のフットケアセンターです。そこでは、日本初(2008年設立)の足の痛みや変形に特化したクリニックで、くるぶしから下の「足」のトラブルなら何でも相談できる医療機関でした。

さらに足の問題は「足指」の変形から起こすこともあるので、足指から足の問題を解決していくことを中心としていました。膝が痛いから膝専門の整形外科を受診、けれども今度は腰が痛いので腰専門の整形外科を受診。さらに肩が痛くなったので肩専門の整形外科…痛みがある場所が変わるたびにいろいろな整形外科に通う人もいます。けれども、足に問題があると膝や腰のトラブルにもつながるので、全身の問題を足指から診ていくということをしていたわけです。

 

日本の足病学は100年遅れている

日本人は、“靴”の歴史が欧米に比べて100年ほど遅れています。日本は家の中でのはだしの文化が長かったので、欧米諸国に比べて足のトラブルが圧倒的に少なかったこともあり、足専門の医学が遅れてしまったことも理由の一つだと思います。欧米には、目が悪いから眼科、歯が痛いから歯科、と同じように足のトラブルに対しては「足科」というものがあります。

アメリカではポダイアトリーといえば、「整形外科」のように誰もが知っている診療科目。しかし日本ではとても知名度が低く、足も膝も腰も「整形外科」のひとくくりで通う方ばかりで。日本ではドクターでさえ、その言葉を知らない方もいるほどです。ポダイアトリー(足病学)とはそのままズバリ、人の足についての専門医学。足・足首・下肢の専門家で、足に関する幅広い状態の予防、診断、治療に役立ちます。

また、糖尿病や関節炎などの基礎疾患から生じる足の問題も治療できます。足病医の推奨事項には、特定の運動療法、靴用のカスタムメイドのインソールの使用、または皮膚の状態を治療するための薬物療法が含まれる場合があります。一部の足病医は、スポーツ、子供、職場の健康など、さまざまな実践分野を専門としています。

 

日本の靴の歴史は100年遅れている

私は以前、足病学を取り入れながら、それに不足する足指学(指育)を独学により確立しフットケアセンターを設立。その当時は日本に足(くるぶしから下)を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに疑問を持ったこともきっかけの一つ。2008年、足・ひざ・腰の痛みや変形に特化したクリニック付属フットケアセンターをオープン。

足や足指に対する専門的な診療を提供することに日々力を注ぎながら、それがひざ痛や腰痛などに関係していることを納得してもらうことにとても苦労しました。ほとんどの方が「ひざ痛ならひざに問題がある」「腰痛なら腰に問題がある」と考えていたからです。ましてや足や足指が靴の問題によって起こっているとは誰も思わないので、さらにハードルが上がります。

日本人が、欧米人と同じようにつま先を覆う靴を履くようになったのは明治時代以降。つまり100年以上前になります。それまでは、ぞうりやゲタを履き、家での中でははきものを履かなかった日本人にとって、足に外反母趾などのりクスを抱えていてもそれに気づかなかったと思います。海外での靴の起源はブーツに始まりますが、パンプスでさえも1600年代には女性がはいていたということを考えれば、いかに遅れているかがわかると思います。

靴の中で足がすべる靴が、さまざまな足・ひざ・腰のトラブルを表面化させるようになりました。朝から寝る直前まで靴を履く習慣のある欧米諸国で、早くから足の専門医学が発展したのはうなづけます。日本も今では、園児のこどもでも外反母趾が多い時代。親が早めに気づいてあげないと、成長とともに進行してしまいます。幼い頃から医学的な介入で予防してあげるなど、親への教育も大切だと思っています。そのためにもやはり足の専門家が必要なんです。

 

足病学のベースがHand-Standing理論となる

「ハンドスタンディング理論」とは、人が立つ時の状態を、逆立ちに置き換えて考えることを言います手を「足」に置き換えると、手首は足首、ひじは膝、肩は股関節に当たります。足指がしっかり広がって伸びている状態であれば、最も無理のない体勢で、まっすぐにバランスよく立つことができます。

Hand-Standing理論

 

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ほんとうの健康づくりのコツはとてもシンプル。さまざまな健康法やアンチエイジングケア法が日々登場している中で、これってホントに効果があるの? 理学療法士として美と健康を追求し、究極の美容法・健康法の基礎が足指にあることをお伝えします。「ひろのば体操」の方法や効果、足指についての知識をみんなで共有し、世界中の人が健康になれるお手伝いをしていきたいと思います。ハルメクWEBでも美容と健康のコラムを連載中です。

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