年々増え続ける子どもの「浮き指」。原因・症状・対策を、足指専門の理学療法士が解説!1日1回の「ひろのば体操」で簡単に治せる。

私が子どもの頃は、浮き指という言葉については聞きなれないものでした。近年、多くの親が自分の子供が「浮き指」であることに気づきました。これは、10本ある足指のうち、少なくとも 1本の足指が地面に触れていないことを言います。通常は無症状ですが、将来的に足の痛み、またはバランスの喪失を引き起こす可能性があります。

子供が浮き指になると、足裏の地面と接する面積が小さくなり、前後左右への踏ん張りが効かなくなるので、バランスを保つことが難しくなります。懸念されるのは、浮き指が現代の子どもたちの足の使い方の不足によって引き起こされることです。

目次

浮き指とは何ですか?

 簡単に言えば、それらは見た目どおりです。子どもが平らな地面に足を置いた場合に、1本または複数の指が上がったままで地面に触れない場合、私は浮き指と診断します。この状態だと、歩いたときに足先に体重がかからなくなります。

成人の場合、ハンマートゥ手術または外反母趾手術後に浮き指と診断されることがあります。また、ワイル骨切り術後にもよく見られます。(これは、足の指の付け根の痛みに対する処置です。中足骨の 1 つに切り込みを入れて、固くなった伸筋腱を緩める必要があります。)しかし、子どもの場合、この症状はさまざまな理由で発症します。実際、子どもの場合、靴の履き方、靴の選び方、靴下を履く習慣・運動不足による足指の関節や筋肉の不安定性・弱さが原因であると考えられます。そして、それは現代では深刻な問題になっているようです。 

なぜ今、浮き指になる子どもが増えているのか。子どもの浮き指の原因とは?

日本での最近の研究では、 1980年代と比較して2000年代にこの問題の発生率が急増していることが明らかになりました。2021 年の研究に参加した 198 人の子どものうち、約 80% が少なくとも 1 本の浮き指がありました。 

浮き指になる原因は?足の使い方が不十分?結論から言えば、最近の子どもたちは足を十分に使えていないのです。学校での遊び場時間の減少、屋内ゲームとスマホを使う時間の増加も浮き指になる子どもたちを増やしていることは事実。(言うまでもなく、世界的なパンデミックにより、子どもたちは最大2年間も外出自粛で、外遊びやスポーツ活動はすべて中止されました。)

これにより、座って過ごすことが多くなる子どもたちが増えています。このコロナの影響で、子どもたちの一日の歩数は、1979 年には 27,000 歩でしたが、わずか 11,000 歩になりました。しかし、残念なことに、浮き指を加速させる原因はそれだけではありません。実は、私たちが何気なく行なっている生活習慣によって、子どもたちの足を弱めることになっているからです。 

まず、最近では子どもたちの足を覆うことがはるかに多くなり、裸足で過ごす時間がほとんどなくなっています。まだ歩けない赤ちゃんに、親は高価なスニーカーを買うこともあります。ベビーカーに乗っているときに靴を履いている赤ちゃんもよく見かけますね。とてもかわいいのはわかりますが、それは子どもたちが足の力を発達させていないことを意味します。また、冬には靴下を履かせてしまいます。これらの要因により、足の筋肉が発達せず、足指が浮きやすくなっているのです。そしてそれは後々に問題を引き起こします。

また間違った生活習慣として最も多いのは、歩き始めてからの問題です。①靴のサイズが間違っていたり(ほとんどはサイズが小さい)、②履き方を間違えていたり(マジックテープをしっかり締めない)、③室内でずっと靴下を履いていることです。どんなに裸足保育をしていても、日常生活で上記の3つの間違いをしてしまうと、すぐに浮き指になってしまいます。このことは西日本新聞にも掲載されました。

足指が地面に触れていないことが原因で起こる症状

 浮き指の子どもはバランスの問題が多くなり、転倒する危険性が高くなります。足指が地面に触れていない子どもは、足の痛みを訴えることがよくあります。さらに、将来的に足の問題や姿勢の変化が起こるリスクも高くなります。 代表的なものは成長痛です。

  • 夕方~夜(寝ている間)や朝方に痛みを訴える
  • ずっと痛い訳ではなく、月1~2回、週1~2回など不定期に痛む
  • 遊んでいる時や学校、幼稚園は、痛みの訴えが少ない
  • 痛い部位に腫れ・圧痛・関節の運動制限など炎症症状はない
  • レントゲンを撮っても、特に異常が見当たらない
  • 両親がさすってあげる、触ってあげると痛みが消えることがある

この状態が2週間~1か月ほど続いている場合は、成長痛が考えられます。成長痛で痛む場所は膝が一番多いですが、ふくらはぎ、すね、足の関節、太ももなど、成長痛は主に下肢(かし:足)に痛みが現れます。痛む場所もいつも同じではなく、その時々によって異なることがあります。

それだけではありません。足指が浮くと、歩幅や歩く速度も低下する可能性があります。だからこそ、子どもたちの浮き指を予防したり、治療したりする必要があるのです。 

子どもの浮き指を予防するには?

小児足病理学療法士としては、問題が起こる前に予防したいと考えています。そのため、幼児が歩けるようになるまでは裸足にさせることをお勧めします。これは、足指と足の筋肉の発達と強化に役立ち、浮き指になるのを防ぎます。

 予防は年長児にとっても重要です。靴が毎日の必需品になったら、スクリーンタイムを管理することで靴を保つことができます。年長の子ども、10代の子どもであっても、裸足で走り回ったり遊んだりする十分な時間が必要であることを覚えておいてください。そうすることで浮き指を防ぐことができます。さらに、小児肥満の予防にも役立ちます。

子どもの足の指をじっと見つめて怖くなったのではないでしょうか?しかし、それほど難しく考えなくても大丈夫です。たとえ子どもの足の指が地面に触れていないのを見たとしても、ほとんどの場合、手術なしでこの問題を解決することができます。その方法は次のとおりです。

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足指の機能を取り戻す

筑後地区の保育園では毎朝の登園時、保育士さんと一緒に片足20回ずつ、「ひろのば体操」を行いました。2ヶ月やった園は、やらなかった園と比較して「ジャンプ」「しゃがみ」「行進」の三つの動作が改善。保育士さんからは「かけっこが早くなった」「登り棒がうまくなった」などに加え「積極的に外遊びをするようになった」という報告もあります。「ひろのば体操」については、下の記事を参照してみてください。

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浮き指を矯正する

YOSHIRO SOCKSは、足の筋力低下で起こる親指や小指の変形を、効率よく足裏の筋肉を使える状態にすることで予防していきます。日本人の9割が浮き指。足指でしっかりと地面をつかむことができる構造なので、無意識にふんばる力をアップ。浮き指を改善し、同時に重心を中心に近づけていきます。

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足指の筋力を強化する

足の指や足の小さな筋肉に焦点を当てた強化運動を行います。雑巾がけです。赤ちゃんの「はいはい」にも似た動作ですが、足指や足の筋肉をつけたり、足指を使うことを体に覚えさせるには適切な運動です。

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靴を正しく選ぶ

お子様の靴の選び方を見ていきます。詳細は下記のリンクをご参照ください。足指先に1cmほどのゆとりを持たせた、ゆったりした靴に変えます。そして足の甲をしっかりと固定できる「折り返し付き」のマジックテープが2つ以上ついた靴を買うようにしましょう。

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靴を正しく履く

足の甲の高さは、座った時には高く、立った状態では体重がかかるので低くなります。だから、靴を買って最初にひもを通すときや、靴を履く際に結び直すときも、座ったままひもを締めると、締めたつもりでも、歩いた時にはひもが緩くなるわけです。そうなると、靴の中で足が滑って浮き指にもつながります。マジックテープを締めるときは、立った状態で行うようにしましょう。

臨床データ(科学的根拠)|浮き指に対する足指体操と矯正靴下の効果

ひろのば体操による浮き指の改善効果

50名を対象に浮き指に対する、「ひろのば体操」の効果検証を行った。結果、2ヶ月後には浮き指率が92%だったものが9.6%まで減少し、有意差が認められた。

YOSHIRO SOCKSによる浮き指の改善効果

20名を対象に浮き指に対する、「YOSHIRO SOCKS」の効果検証を足底圧測定器を使用して行った。結果、2ヶ月後には地面への接地本数が平均5.6本だったものが8.1本まで向上し、有意差が認められた(左データ)。

さらに75名を対象に浮き指に対する「ひろのば体操」と「YOSHIRO SOCKS」の併用の効果検証を行った。結果、2ヶ月後には親指の浮き指は68%から40%に減少、小指の浮き指は18%から4%に減少し、有意差が認められた(右データ)。

子どもの浮き指が治った例

浮き指は、きちんとしたケアを行えば、早ければ2週間ほどで改善していきます。3ヶ月もすれば正しい筋肉がつき始め、後戻りすることがなくなっていきます。ただ、現代社会は靴や靴下を履く文化なので、ケアを怠ると再発する可能性は高くなっていきます。歯磨きのように習慣化することで、慣れていくことも大切です。

浮き指が改善すると姿勢も良くなる

浮き指になると、立った時に「踵重心」になります。そうなると踵だけでバランスをとるような形になるので、上体を反らせたり(反り腰)曲げたりして(猫背)バランスを取ろうとします。そしてその状態が慢性的に続くと背中や腰の筋肉が過緊張を起こしたままとなるのですが、足裏全体でバランスが取れるようになるので、自然と市営も良くなっていくのです。

湯浅慶朗(YUASA YOSHIRO)
足指研究所 所長
理学療法士、足指博士、足指研究所 所長。ハルメク靴の共同開発者。東京大学で研究を行う。

病院で理学療法士として高齢者医療(リハビリ)に携わる。現代医療のあり方に疑問をもち、病院を退職。妻のO脚改善をきっかけに足指の研究に入る。一生歩き続けられる体をつくる「ひろのば体操」を考案。西日本新聞連載「お茶の間学・足指伸びてますか~」(全22回)が人気となり、NHK「サキどり」「ガッテン」などで足育として取り上げられ、大きな反響を呼び、足指研究所で足腰の相談に乗るほか、病院の再建をはじめ、一般や学生、児童向けの講演活動を行っており、日本国内だけでなく、ニューヨークやバンコクなど、世界各地を飛び回っている。

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